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心で繋がって〜失くして気付く重み〜

第4章 あなたと最初から






次の日…私はハロルドの花屋まで足を運んだ。
真っ直ぐな道で奥には花屋が見えた。

何故だか…足が思うように進んでくれなかった。
重い足取りで花屋の前に立つと
そこにはリッツと遊ぶリタがいた。

私の顔を見て…私の左腕を見て…
顔色を瞬時に変えた。


「…あなた…その腕…」


『あぁ。…大したことはないよ。』


「…そう」

リッツの手を握る手に力が入るのがわかった。
リタは何かを隠している。
いつからか気付いていた。


『ハロルドはいる?
壁外から生きて帰ったら…主人に花を包んでくれると約束したんだけど。』


「今、主人は…花を届けに行っていていません」

『そうか…リタ、何か花を包んでくれない?』







「…もう…来ないで…下さい…」

蚊の鳴くような小さな声だった。


それでも私には痛い程届いた声だった。


「ハロルド…あなた達と関わるようになって…
頭痛が酷いの。

薬も効かなくて…乱用するようになっています。


今、私はあの人を失うわけにはいかないの!!」


隣でリッツが泣いている。母親の声に驚いたのだろう。
リタは…ハロルドが必要なんだな…。


『リタ…ハロルドは優しい…?』

「えっ…はい。とても…」

『髪を撫で…額や頬にキスをするかい?』

「何を言っているの…?」

頬を自然と涙が伝う。こんな事、言いたい訳じゃない。


『後ろから…抱きしめてくれるかい?』

「……………」







『お願いだ…リヴァイを返して…』



わかっている。こんなことをしても無意味だという事くらい。



「頭を上げて。
ハロルドはリヴァイ兵長なんかじゃない…」


言うと思っていたよ。
リタがハロルドを離すわけがない。
解っていたはずだった。


『もう…来ないよ。
でも、主人の花は頼んだおいてよ。
兵団に届けてくれ。』


そう軽く笑い私は踵を返した。
そして、また真っ直ぐな路地を歩き出す。
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