第4章 あなたと最初から
『ハロルド…二日後…
私は壁外に行く。』
下を向き…やっと絞り出した声。
言いたいことを伝えられずに
我慢して…我慢して塗り替えた言葉。
『だから…主人に花を送りたい。』
「壁外に行くのか…」
『あぁ。私はこれでも分隊長でね。
行かなければならない。』
「花は…」
何かをハロルドが呟く。
聞き取れずに『ん?』と再度問い直した。
「花は…包めねぇ。」
『何故…?』
「生きて帰って…また来い。
その時に花を包んでやる。」
『…あぁ…そうだね…そうするよ』
私が笑うと少しハロルドも表情を緩めた。
すると、店の奥からリッツが顔を出す。
「おねーたん!これっ!」
『ん?』
リッツの手には小さな黄色い花が握られている。
「あんたの旦那が来た時に摘んだ花だ。
リッツがあんたにやると聞かないんだ。
前のは枯れちまったから…また今日摘んできた。
もらってやってくれ…」
『ありがとう。リッツ。
頑張って戦ってくるよ。』
「うん!また、ここに来てね!」
『あぁ。』
リッツの髪を撫でるとリッツは嬉しそうに笑った。