第3章 あなたの生存確率
「…俺じゃダメですか…」
急に放たれた言葉に…私は驚いた。
この声は…まだ若い…新兵の声だ。
けれど…いつも、私を見てくれている声だ。
『ジャンっ…だね…』
口角を上げて笑うとその声の主が
私の顔を覆っていた手を退けた。
私も手を退けると
苦しそうに眉間に皺を寄せて
私を見下ろしているジャンの顔があった。
『ノックくらいしてよね。私も女だ』
体を元に戻し椅子に座りなおすと
その後ろからギュッと抱きしめられた。
「俺っ…強くなります!
人類最強は無理でも…ハンジさんを
守れるくらいにはなります!
だからっ…だからっ…」
私は回された腕にそっと触ると
ユックリとその手を解いた。
『ジャン…ありがとう。
私は嬉しいよ。
でも…私は…アイツしか、愛せないらしい。』
そう言うとジャンは立ち上がり
「そう言うと思いました。」と笑った。
『ジャンは、私を見てくれていたんだね。』
「…はい。兵長と一緒にいるとこも良く…
兵長がハンジさんといるときは
凄く不機嫌で…」
『あははっ。なんだよソレ。
私、嫌われていたみたいじゃないか』
そうだよ。リヴァイはいつだって不機嫌だった。
他の兵士には優しいくせに…
私の隣ではいつもクソメガネだの奇行種だの
私を罵っていたね。
でも…いつも私には正直でいてくれた。
口が悪くても態度は…私を大切だと
いつも…いつも…示してくれていたね。