第3章 あなたの生存確率
背後でドアが開く音がする。
ユックリとその足音がこちらに近づいてきた。
ノックもしないで入ってくるなんて…
誰だ…。
そんな思考を尻目にその足音は私の背後で止まった。
『誰だ?私はお取込み中だよ?』
顔を覆っている手を離したくなくて
そのままの体勢でその相手に問う。
「……………」
何も答えない相手が
私が顔を覆っている手のひらに
自分の手を重ねてきた。
何故だか…無性に泣けてきた。
自然と肩が揺れ、嗚咽を堪えるのに精一杯になっていた。
「うっ…うっ…」
その相手が私の思う相手じゃないことくらい
解っていた。
その相手の名前を呼んだらいけない事も…
けど…今だけは許しておくれ…
どうか…どうか…
『リヴァイ…っ。リヴァイ…』
止めどなく溢れる涙が私の手を濡らし
頬を伝っていく。
何も言わない誰かも分からない相手は
ただ、ただずっと私の目を覆っていた。