第3章 あなたの生存確率
トントンっと二回…エルヴィンの執務室の扉を
ノックすると、誰が来たのか解っているのか
中からエルヴィンの声がした。
「入ってくれ。」
二人で並び顔を出すと、やはりか…と
エルヴィンは少しだけ笑っていた。
『エルヴィン…今日の報告に来た。』
「どうだった?リヴァイである根拠は見つかったか?」
私は俯き、ユックリと首を横に振った。
デスクに座っているエルヴィンから
大きなため息が漏れた。
「そうか…」
『彼は…記憶喪失という事は自覚していたよ。
けど…今の環境が全く違うことには疑問を持っていない。』
「…と言うと?」
『記憶をなくす前から、ハロルドとして
生きているのだと思っている。』
「…そうか…」
『エルヴィン…私はまた彼に、
接触するよ。』
そう言って踵を翻しエルヴィンに背中を向けた時、
後ろから一言…言葉を発せられた。
「もう…やめなさい。ハンジ。」
腕に力が入り、無意識に拳を握っていた。