第3章 あなたの生存確率
「あぁ。」
その短い返事も顔の表情も…
きっと困惑の証。
きっと、このハロルドには
ここ2ヶ月ほどの記憶しかないはずなんだ。
「ーーーーーっ。」
急にハロルドがその場にうずくまる。
こめかみ辺りを押さえ痛みに耐えているようだった。
『どうしたっ!痛むのか?!』
「ちっ。うるせぇ…」
『…っ!リヴァ…ィ…』
ハロルドは…前から舌打ちをするのかい?
なぁ…今から戻って…リタに聞いても良いか?
…なぁ…リヴァイを返してよ。
うずくまる肩にそっと手を置くと
ハロルドは少し痛みが治まったのか
その手に自分の手を置いた。
「もう大丈夫だ。すまない。」
何事もなく歩き出すハロルドを
私たち二人はじっと見ていた。
『頭痛は…前からあるのか?』
「あぁ。時々。
何かを思い出そうとすると…
この有様だ。情けねぇ。」
…思い出そうとすると…
きっとそれはリタとリッツとの過去。
ありもしないものを見ようとしているからか…
それとも…
リヴァイ自身が兵団にいたころを
思い出したくないからなのか…
私はもう確信に触れるしかなくなってしまった。
もし、目の前のハロルドが壊れたとしても…
私はリヴァイに戻ってきてほしい。