第3章 あなたの生存確率
執務室の前で止まり、同じようにノックをする。
すると、中からハンジの小さな返事が聞こえた。
『誰だい?』
「ジャン・キルシュタインです。」
『ジャンか…入っていいよ。』
扉を開けると山のような書類が
机の上に積み重なっている。
カリカリと一心不乱に
ペンを走らせているハンジ。
薄暗い部屋で…何をしているのか。
「ハンジさん…あの…」
『……今日の事かい?……』
ハンジのペンがピタッと止まった。
「…アレは…」
『リヴァイじゃないらしいな』
ハハハと小さく笑いまたペンを動かし始める。
「何をしているんですか?」
『今日の壁外調査の報告書と…
巨人の生態調査の申請書さ。
それと…リヴァイの生存確率を割り出せる
報告書だ。』
「生存確率?」
『今日…会ったあの男がリヴァイだと証明するための書類さ…そのためにまたあの男に、接触しなければならない。』
ハンジは…あれがリヴァイではないらしいと言ったが、
信じていないわけではなかった。
どんな小さな確率でも、彼がリヴァイだと言う
証明できるものがあれは何でも良かった。
小さなことでも一つ、一つ拾い上げていくつもりなのだろう。
『私は少しの確率にかけるよ。ジャン』
「ハンジさん…」
また机に向かってしまったハンジに
ジャンはこれ以上かける言葉を見つけられずにいた。