第7章 あなたの帰還
…そして、壁外調査当日。
私はエルヴィンに黙って
立体機動装置を装着し、マントをつけた。
そして、まだ完全には塞がっていない傷口にこれでもかとさらしを巻いた。
痛みなんて感じないほどに
気は高まっている。
「…分隊長…!?」
『モブリット。私も行く。』
「無茶です!まだ傷口が…
それに…兵長もまだ…」
『大丈夫だ。私は帰ってくる。
…大丈夫だ。』
ハロルドが倒れて10日程経ってはいたが
ハロルドは眠ったままだ。
医務室から私室に移されているはず。
移されてからも私は…顔も見に行けないでいた。
『モブリット。…リヴァイに会ってくる。』
そうモブリットに告げ、私はリヴァイの部屋を訪れた。
そこには規則的は寝息を立て、
まるでただ、眠っているだけのようなハロルドの姿。
その姿にゆっくりと近付く。
『ハロルド…私は壁外へ行く。
…きっと…死ぬ確率の方が高い。』
ハロルドの手をそっと握ると温かな感触が広がる。
『最後に…言わせておくれ。
リヴァイ…わたしはあなたを愛している。』
リヴァイがいなくなったあの壁外調査の2日前。
愛してると呟いたリヴァイ。
そして、それを伝えることが出来なかった私。
…今なら言える、何度でも。
『愛してるよ…リヴァイ…』
私の頬を温かな涙が幾度となく流れた。