第7章 あなたの帰還
ジャンは何も言わず私の目の前に屈んで背中を見せた。
それはまるで、おんぶを準備する格好だ。
「…兵長の所行きたいんでしょう?」
その一言で私はジャンの肩を掴んだ。
ジャンにおぶられる形で私は医務室の前に着いた。
すでに扉は閉まっていて、扉の前では
泣き崩れる兵士と…椅子に座り肩を落とすエルヴィンの姿があった。
『エルヴィン…ハロルドは…』
「今はまだ…油断は出来ない。」
腹が焼きつくように痛み出す。
巻いてある包帯からは血が滲んできていた。
他の兵士が帰ってからも
私とエルヴィンは、医務室の前で待っていた。
「ハンジ…休んだ方がいい。
傷に障るぞ」
『良いんだ。それより…何で倒れたんだ?』
「リヴァイは早く記憶を戻したがっていた…
それで、死亡者リストの本を渡したんだが
倒れていた時に1ページ握っていた…それが
リヴァイ班の所だった。
何か…思い出したのかも知れないな。」
『なんでそんな無茶を。』
「お前のためだ。ハンジ。」
『解ってるよ…』
まだ開かない扉に私はずっと願った。
どうか…ハロルドを…リヴァイを連れて行かないでくれと。