第6章 あなたの葛藤
その夜の事。
ハロルドはエルヴィンの部屋を訪ねた。
「誰だ?」
「俺だ。」
「…リヴァイか。どうした?」
「…ハンジの事、すまなかった。」
「全くだ。」
エルヴィンは読んでいた本を閉じ
ハロルドへと視線を移す。
「だが…ハンジは生きている。
それで…いい。」
「エルヴィン…何か手かがりになるものはないのか?俺がリヴァイだと、思い出せそうなものは。」
エルヴィンは真っ直ぐ見たまま視線を逸らさない。
「死ぬかもしれないぞ。リヴァイ。」
「あ?」
「お前は無理に思い出そうとすると頭痛がするらしいな。頭が破裂したらどうするつもりだ?
以前も言ったはずた。
私はリヴァイを失いたくはないと。」
その問いかけにハロルドはハッ…と笑った。
「破裂するほどヤワじゃねぇよ。
何でもいい…頼む。」
頭など下げたことないリヴァイが
エルヴィンに頭を下げる。
「いいだろう…」
そして、ハロルドの目の前に分厚い本を一冊投げた。
「これは?」
「私が今まで…殺してきた部下の名前を綴ったものだ。
君は悪趣味だと笑っていたが…役に立つ時が来たようだ。」
…殺してきた…
それはそのままの意味じゃないことくらいわかっていた。
ハロルドは、その分厚い本を持ち自分の部屋へと戻った。