第6章 あなたの葛藤
「なんだ…エレン。」
「記憶が…戻ったんですか?」
全員が思ったことだ。
私に対してのその言葉使いや…
部下でさえも菌扱いするその潔癖症。
ハロルドも口は悪い方だった。
だが、明らかに違う…この言葉。
「いや…。だが…この女を失いたくないと思い
この女に…クソガキが触る事が嫌だと感じた。
そして、このガキは…俺を試してやがる。」
その言葉にジャンは少し反応を見せる。
その表情が面白かったのだろうか
ハロルドは、下を向き少し笑った。
「てめぇが誰に惚れてようが…俺には関係のない話だか…人の物に手を出すと、項を削がれるぞ。
…ジャンよ。」
場の空気が重い。
ジャンの棒読みさながらの笑いが響いていた。
「俺…仕事に戻りまーす…」
エレンが背中を丸め私の部屋から出て行った。
その背中にハロルドは、声をかけた。
「エレン…」
ドキッとエレンの背中が反応する。
「リヴァイは…お前にとって希望になっていたか?」
その問いにエレンはハロルドの方を向きなおし
背筋を伸ばし…敬礼をする。
その姿は…勇ましく勇敢な兵士だ。
「はい!リヴァイ兵長は俺の憧れてあり
…希望です。
今までも…これからも!」
「そうか…行け。」
シッシッと手を払い、エレンをあしらった。
その様子は以前と変わらない、兵士長の姿だ。