第6章 あなたの葛藤
「ハンジ……ハンジっ!」
幾度となくその声で
呼ばれたはずの自分の名前。
嬉しかった。
「死ぬな。死ぬんじゃねぇ…」
すぐに、救護班が来て私は担架に乗せられた。
離れた手が寂しくて…冷たくて
一人になるのが怖かった。
自分が一命を取り止めたと気付いたのは
目が覚めた時だった。
右の腹に激痛が走り
生きているのだと…実感した。
部屋を見渡せばそこには
ウトウトと眠るハロルドの姿。
残念ながら…体は全く動かず言葉すら出てきてくれなかった。
周りにはタオルが何枚も置かれ
いつ私が目覚めてもいいように食事もおかれていた。
しばらくジッと見ていると、ハロルドがそっと目覚めた。
そして、私の姿を見ると目を少し見開いた。
「ハンジ…解るか?」
私がやっと動く体で小さく頷くと
私のボサボサの髪をクシャっと撫でた。
「…そうか。良かった。」
そう言うと椅子から立ち上がり一度部屋から出て行ってしまった。
しばらくして、戻ってきた時には
モブリット、エレン、ジャンまでもが付き添ってやってきた。