第6章 あなたの葛藤
私はその様子を一望できる窓から眺めていた。
今日は対人格闘技の訓練なのだろう。
次々となぎ倒すハロルドをみて
他の新兵は目をキラキラと輝かせていた。
何故…兵士長たる者がここにいるのかは
皆、疑問に思わないのだろうか?
エレン達が新兵だった頃…とはまた違う。
そんな雰囲気が漂っていた。
…あれ?そう言えば…エルヴィンは
訓練兵からやり直しと言っていなかったっけ?
いつの間には訓練兵は卒業したのか?
ハロルドは新兵として、ここにいることに気付いた。
「あっ!ハンジさん!」
『やぁ、エレン。』
私が笑うと尻尾を振る犬のようにこちらに駆けてくる。
『凄いですね。記憶がなくても…やっぱり兵長だ。』
窓の外を眺めて、嬉しそうにエレンは言う。
憧れの兵士長だとまた彼も目を輝かせていた。
『エレンも…逞しくなったよ。
リヴァイに劣らない精神力がある。』
「まさかっ…」
手をブンブン振るエレンだったが
私が言ったことに嘘はない。
色んな戦いを乗り越え、
様々なものを背負わされ…
それでもエレンは強い…と思う。
それは、リヴァイも同じことを思っていたことだろう。