第6章 あなたの葛藤
私は部屋へと入り扉を閉めると
その場に力なく座りこんだ。
…変な気分だ。
リヴァイがいる。
それだけで私の胸が締め付けられる。
いつも、追いかけていた背中が…また私の前を歩いている。
体に似合わず…全てのものを背負う。
大きな…大きな背中。
背中越しの扉がドンっと激しく叩かれた…と言うか蹴られた。
「ハンジ…いるか。」
…全く何てタイミングだい。
『いるよ。ここに。』
私がもたれているせいで、思うように扉が開かないのか
ハロルドは再度扉を蹴った。
『ちょっと!乱暴はやめろよ!』
「話がある。入れてくれ…」
私が立ち上がり扉を開けると
そこにはやっぱり…私の知っているリヴァイがいる。
花屋をして…夫として父親として…
柔らかい表情を浮かべ微笑んでいたハロルドではない。
鋭い視線を向け…いつも眉間に皺を寄せて
近寄りがたい…リヴァイだ。
環境が違うだけでこうも違うものなのか。
『どうしたんだい?』
私が笑うとハロルドは何も言わず
私の頭を掴み自分の肩へと持っていった。