第5章 あなたの中の私たち
エルヴィンはハロルドを
あの兵士長の部屋へと招いた。
「ハロルド…君が今日から生活する部屋だ。
後…君のことはリヴァイと呼ばせてもらうよ。」
「あぁ。構わん。」
ハロルドは部屋の中へと入り
机の上を人差し指でスーッと撫でた。
そして、大きな舌打ちをする。
「おい。ここはどのくらい使われてなかった。」
「リヴァイが居なくなってからずっとだな。」
「…通りで汚ねぇわけだ…」
エルヴィンは小さな溜息を漏らすと
「やはりリヴァイだな。」と笑った。
「ここは…ハンジがたまに掃除をしてくれていたよ。」
その名前が出てくるたび
ハロルドの頭は小さく痛む。
「君たちはよく…ここで夜遅くまで過ごしていたよ。
私の部屋は隣だからね…よく聞こえた。
話し声やハンジの笑い声。
忘れてしまったことは…仕方がないが、ハンジは君を今でも待っているよ。」
「おい。エルヴィン…
それは…つまりどういう事だ?」
頭痛とともに動悸もする。
リヴァイはハンジに片思いをしていたわけではないのか?ただ一方的な愛情だったのでは…?
「君たちは愛し合っていたんだよ。」
風が吹き抜ける。
ハロルドの胸の中にもなんとも言い難い何かが吹き抜けた。