第5章 あなたの中の私たち
『えっ…』
「元々あんな性格だ。愛してもない女に触るのは…
ゴロツキの時だけで良いと…笑ってはいたよ。
ただ…食事会の後は…リヴァイも
君に心底会いたかったようだな…」
エルヴィンが、また顔を綻ばせる。
…私に会いたかった?リヴァイが?
確かに食事会の日の夜はリヴァイは
私の部屋へは来なかった。
けれど、次の日の朝必ず…紅茶を入れにやってきた。
酒が抜けねぇ…と顔を歪ませて。
そして、まだ酔っていると少し顔を緩ませ
紅茶を飲んだ後は、優しく口付けをしてくれた。
私は…違う女を抱いた事に後ろめたさがあっての事かと思っていた。
すぐに私に触れる事へと嫌悪感もあった。
…だが…違ったようだ。
リヴァイは…
私を確かめたかったんだ。
愛してくれていたからこそ…
愛おしく思い、口実をつけ会いに来ていた。
…私はなんて愚かな女なんだろうか。
『…もっと抱かれとけば良かったよ。エルヴィン。』
「まだ…やり直せる。ハンジ。
ハロルド…リヴァイを取り戻すんだ。」
そう言い残しエルヴィンは去っていった。
薄暗い部屋で私は窓を眺めていた。
満月が私を照らし…
まだ暗黒の世界へ行くことを拒んでいるように
私へと語りかけてくれた。