第5章 あなたの中の私たち
兵団に着くと…門の前でジャンが立っていた。
私の姿に気付くと急いでこちらに走ってくる。
…全く君は…どれだけ私を心配しているんだよ。
「ハンジさんっ!」
『ジャン。風邪をひくよ?入ろう。』
「ハロルドさんのところですか?」
『…あぁ。紙袋のお礼をね。』
「…泣くほど嬉しかったんですか…」
『えっ?』
私がジャンを見ると彼の鋭い目が私を捉えていた。
ジャンは私の腕を力付くで引っ張る。
『ちょっと!』
立場や年齢は上であっても
所詮は男と女。
私がどれだけ鍛え上げられていても
男のジャンに勝てるわけはない。
「涙を流すほどっ!そんなに高価な紅茶だったのかよ!
そんな顔して帰ってきて!
あんたはどれだけ1人で苦しむんだ!!
いつまであんたは…兵長を見続けるんだ…
どうしてもっと!周りを頼らない!
俺が…俺がいるじゃないですか!!!」
ジャンの目にも次第に涙が溜まっていく。
この子にこんな顔をさせているのは私だ。
『ごめん……ごめん…』
何度も謝るとジャンはそっと私の肩を抱いた。