第1章 ~PROLOGUE~
…そこら中に血の匂いが充満して千鶴おねぇちゃんは、少し顔色が悪い。
すると…
浪士2「うわあああああっ」
??「ひゃははははは!」
浪士の悲鳴と、何やら甲高い笑い声が響いた。
浪士 2「うわあああああっ、なんだこいつ」
浪士1「くそ、化け物だっ」
…化け物?
雅紀は、そっと騒いでいる方を覗いて見ると…
貴「なっ、…」
そこには、倒れている不逞浪士達と、浅葱色の羽織を着た2人の男だった。
その、羽織には、返り血がついていて、髪は白く、暗がりに、爛々と光を放っている赤い目。
…ば、化け物
千鶴「あ…あぁ…」
千鶴は、恐ろしく一歩下がると、運が悪く木板を、倒してしまった。
赤い目が、2人を捉えると血糊を舐め、ゆっくりと近づいてくる。
貴「千鶴おねぇちゃんは、目を瞑ってて!」
頷いて、目を瞑る千鶴おねぇちゃんを、横目で刀を抜刀した。
貴「来いっ」
…一発で、仕留めるか
化け物の刀を避け、心の臓をつらぬく。
化け物は、そのまま倒れていって、ピクリとも動かない。
貴「あと、いったぃ…くっ」
反応が、遅く左肩から、背中にかけてと右手を斬られた。
貴「…っ、くそ!」
もう一度、向かって来る刀を避けようと、重心をかたむける。
ぎりぎり、避けれた物の今ので、鼻緒が運悪く切れてしまい、バランスを崩したまま、倒れてしまった。
貴「しまっ…」
刀はこちらに、振り下ろされる。覚悟し目を固く閉ざした。