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薄桜鬼~千鶴と薫の弟君!~

第1章 ~PROLOGUE~


海さんと空さんが来て一週間が立ったある日、僕と千鶴おねぇちゃんは土方さんの部屋に呼び出されていた。

部屋には、総司と平助もいる。

千鶴「あ、あの、話って…」

土方「…お前らに外出許可を出してやる」
雅紀「…へ?」


…外出許可?

千鶴「本当ですか!?」
土方「あぁ。市中を巡察する隊士に同行しろ。あと、隊を束ねる組長の指示には必ず従え」
千鶴「はい!」

土方「おい。てめぇもだよ。雅紀」
雅紀「え、あ、は、はいっ」

土方「総司、平助。今日の巡察はお前らだったな?」

土方は脇に控えている2人に、確認する。
平助「うん。でも、俺達八番組の巡察は夜だから、ついて行くなら一番組の方がいいと思うよ?」

っと、自分の左に座っている沖田を見る。

沖田「えぇー、僕ですか?」
土方「総司。頼めるか?」
沖田「仕方ないな~浪士に絡まれていても、見捨てますけどいいですか?」

土方「いいわけねぇだろ」
軽口を叩く総司を叱りつけて、土方さんは真顔で僕と千鶴おねぇちゃんに向き直った。


土方「長州の連中が不穏な動きを見せている。本来ならお前らを外に出せる時期じゃないんだが…」

過激な尊王攘夷派の不逞浪士たちと京の治安を守るため彼らを取り締まる新選組は、かねてより敵対関係にある。

尊攘派の中心となる長州は前年起こった八月十八日の政変で京より放逐されたはずだが、つい最近、多数の長州人が京に潜伏していることがわかった。

緊張が高まっている今、京は以前にもまして危険な場所だと、土方は説明した。


雅紀「なら、どう、して…僕達を?」
っと、首を傾げる。

土方「京の町で綱道さんらしい人物を見たって言う証言があがってきてる」

千鶴「父様を!?」
ハッとして土方を見つめた。


土方 「これ以上、機会を延ばしていて綱道さん捜しも進まねえだろうし、それに…半年近くも辛抱させたからな」

雅紀「あ、ありがとうございます」
藤堂「良かったな。雅紀、千鶴!」

千鶴「うん!!」
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