第1章 ~PROLOGUE~
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《京》
??「待ちやがれ小僧」
千鶴「雅紀、こっち」
貴「っ!うん!」
松本先生の家に行ってみると、留守で、途方にくれていると、急に不逞浪士に追いかけられて、しまった。
貴「はぁ、はぁっ…しっ、しつこい」
浪士1「待ちやがれ」
浪士2「その、刀をよこしやがれ」
待てって言われて、待つバカはいないし、父様から貰った刀を素直に渡すバカも、いないよっ!
やっ、ヤバい
鼻緒が千切れそう…
すると…
ーグイ
貴「うわっ」
千鶴おねぇちゃんは、前方に立てかけている材木の向こう側…天水桶が作っている暗がりに、僕の手を取り素早く飛び込んだ。
2人で息をひそめていると、だんだんと近ずいて来る、不逞浪士達の足音と声。
松本先生が、留守って聞いた時に、すぐ宿を探せばよかったんだ…
浪士 「まだ、遠くへは行っちゃいねぇ。捜せ!!」
抜刀した浪士がゆっくりと近づいてくる。
雅紀が、刀の柄に手を持って行くと…
貴「…!」
千鶴「雅紀? どうしたの?」
…これは血の匂い