第1章 ~PROLOGUE~
《京の近く》
2週間後の夕方、やっと京の近くまで来れた。
今日は、近くの宿に泊まって明日の朝に、京へ行くつもりだ。
千鶴「ふぅ~ やっと明日には、京に着くね」
貴「うん。思ったより、遠かった…」
千鶴「疲れちゃった?」
貴「少し…だけ」
…ここまでの道のり、僕が方向音痴のせいで何回も道に迷ってしまった。
貴「千鶴おねぇちゃんも、疲れたでしょ?」
千鶴「少し…」
貴「…ごめんなさい」
千鶴「…え?」
貴「だって、僕のせいで」
千鶴「こらっ、雅紀のせいじゃないってば、ねぇ?それに、雅紀のお蔭でここまで来れたし…ね?」
そう。 雪村診療所を出るとき、僕にあれほど忘れ物ないか、聞いていたのに千鶴おねぇちゃんが、お金を宿代しか持って来ていなかったのだ。
まぁ、僕がお金を多めに持って来ていたので
ご飯代とかは、何とかなったが、もう少しで底がつきそうだ。
そして、今日も宿の一室に泊まって、お姉ちゃんと一緒に布団に潜っている。
小さい時から、お化けとかが怖くていつも、千鶴おねぇちゃんと、一緒に寝ている。
貴「ねぇ、おねぇちゃん」
千鶴「……」
貴「おねぇ…ちゃん?」
千鶴「すぅ~Zz すぅ~Zz」
あ、寝ちゃっ…た?
僕も、寝るかな
貴「……おやすみなさい、おねぇ…ちゃん」