第1章 ~PROLOGUE~
僕はその後、部屋を出て千鶴おねぇちゃんを探していた。
もちろん。山南さんは、自室に戻ってもらった。まずは、傷口を閉じないと、治療もなにもないからね。
すると、中庭の井戸近くで千鶴おねぇちゃんが洗い物をしていた。
その隣で、一君が布巾で食器を拭いていて、縁側には総司が柱にもたれかかって、眠そうに欠伸をしている。
雅紀「千鶴おねぇちゃん!!」
千鶴「あ、雅紀。 昨日、倒れたのに大丈夫なの?」
雅紀「その事なんだけど、千鶴おねぇちゃんがあの部屋まで運んでくれたの?」
最初は、山南さんとばかり思ってたのだが、さっき聞いてみるとどうやら違うみたいだ。
千鶴「あ、原田さんだよ。 ちょうど通りかかったとき、助けてもらったの。」
雅紀「左之にぃか。」
沖田「あ、雅紀君! もう、大丈夫なの?」
雅紀「あ、うん。 おかげさまで。」
斎藤「そうか。左之が心配していたぞ。」
雅紀「あ、左之にぃって、どこに、居るか分かり、ますか?」
左之にぃに、お礼言わないと…
今日の夜の見回り当番、10番組だったから朝餉の時、いなかったんだよね
斎藤「あぁ、それなら…」
沖田「自室に居るんじゃない?」
っと、総司が一君の言葉をさえぎった。
斎藤「…総司」
雅紀「分かった。ありがと」
僕は、また来た道を戻り左之にぃの部屋へと、向かった。