第1章 ~PROLOGUE~
原田side
俺は今、山南さんの部屋へと足を向けていた。
山南さんに飯を持って行ってから随分と時間がたっているのに、いっこうにかえってこない。
すると、急に庭の方から音がした。
ーガサガサ
原田「? 誰か居るのか?」
ーガサガサッ
たしか、今は平隊士達は前川邸に居るはずだし、幹部は広間だ。 山南さんも部屋に籠もっていて、庭なんかに出ないし
…ってことは
千鶴か、雅紀か?
原田「おい、そこに居るんだろ? 雅紀か?」
ー………
不意に思い、そっと近づいて行くとなにやら、人影のような物が見える。
すると、廊下の方から何かが倒れた様な音がした。
ードサッ
俺は、思わず振り返ってしまった。
そして、また茂みの方へ目を持って行くが、もうそこには、誰もいなかった。
原田「なっ、たしかここに……見間違いか?」
俺は、何も疑わず絹を返しまた、山南さんの部屋へと向かった。
屋根の上に、3つの人影があったなどと、気づかずに…