第2章 背負いし命
「…なんだ。エレンか…」
『兵長…』
「病み上がりが無理をするな。
休めと言っただろう。」
『眠れなくて…そっちへ行ってもいいですか?』
「…好きにしろ」
リヴァイ兵長の横へそっと座ると
隠すように手の中のワッペンを
ジャケットの中へとしまい込んだ。
やっぱり二人きりになると
会話になることがない。
「エレン…お前には失いたくないヤツがいるか?」
視線は正面を向いたまま
エレンに問いかける。
『俺には…まだ解りません。』
「馴染みがいただろう。」
『あぁ…そうですね。
兵長は、いるんですか?』
「いた。……たが…全て失った…」
『…………』
この人は一体どれだけの命を背負って来たんだろう。