第8章 7日目
すると佐助が言っていた通り風魔が先導してくれ、安全な道を通りながら森を抜けることが出来た。
開けた野原に、人間の私、黒梟の風魔、狐の佐助、銀猫の三成、虎の幸村がいる。はたから見ればきっと異様な光景なのだろうが私はもう見慣れてしまった。
「私の村は、ここからくだれば近道の筈です」
そこは少し急斜面だったが、私も普段使っていた道だ。
「大丈夫ですよ、何にもありませんって」
そう伝えれば幸村は軽く頷いて三成が前に出た。先に行こう、そう言っているのだろう。
この先に進んでしまえばそこは直ぐに私の村。
私は猟銃を抱き締めて、幸村の背中にしがみつく。
三成が先におりて、その次に風魔と佐助が下りる。それから最後に私たちが降りるのだが、いつまで経っても下に降りて来いという合図が来ない。
心配になり、幸村と私はすぐにそこを降りる。
パァァンッ
「いっ!!?」
腕に鈍い痛みが走り、つい幸村にしがみついていた左手を離してしまった。
そのまま私は地面に叩きつけられて、ごろごろと転がり続けて落ち着いたと思い、目を開けるとそこには、お父さんの顔があった。
「!無事か!?」
「う、腕...」
私は一体何が起こったのか、よくわからなかった。
なぜこんなに腕が痛いのか?なぜお父さんが目の前にいるのか?それより、幸村.....
「ゆっ幸村達は!?」
「友達か?」
「そ、そう!男の子、私と同じくらいの子で...!」
そこで気がつく、そうだ、彼らは動物の姿のままこの村に来たんだ。
ということは、先程の鉄砲の音は私を射抜くためのものじゃなかった。
ここは村、発泡音は確実に猟銃のものだ。ならばなぜそれは音を鳴らした?うったからだ。
何故打った?
「....ッ!!」
思い切り振り返り、私は立ち上がる。
重くてがんがんする頭痛に耐えながら先ほど落ちてきたと思われる草木の割れ目をのぞき込むと、そこには目を疑いたくなるような光景が広がっていた。
「ひっ、い、いや...こんなっ、こんなの!!!」
三成が、真っ赤だった。