第4章 3日目
「やった!!」
「成長したね!」
一緒になって喜んでくれる佐助。
笑い会えたおかげで、心を許し会えたおかげで今こうして猟の修行に付き合ってくれている。
さっきまでは手が震えて何もできなかったのに、今となっては迷うことなく引き金を引ける。
「これも、佐助さんのおかげですね!」
「やめてよ〜ちゃんの飲み込みが良かっただけだって」
「教え方が良かったんですよ、本当になんでもできる方なんですねっ」
素直に私は佐助を褒めたかった。使ったことのないこの猟銃の仕組みを2、3回使っただけで構造を理解し、使い方を完全にマスターしたんだ。きっと才能があるんだと思う。本当に。
「あ、そろそろ旦那が戻ってくるから小屋に戻ろうか」
「はい」
初めてまともに撃ち抜くことができた獲物を佐助は拾い上げ、大切そうに抱えた。
「あ、私持ちます」
「いいよ、血で汚れちゃうだろ?」
佐助の獲物を持つ手は鮮血で汚れていた。鮮やか過ぎて目に染みるように流れ込んでくる気がした。
「は、あー...はい」
それとなく相槌をうってそれから目を逸らした。まだ刺激が強過ぎるみたいで既に息絶えたものを見ることができないみたい。
「じゃ、いこうか」
ほらこっち、と導いてくれる。
あぁ優しいな。心の底からそう思えた。