第1章 ++いつもオレを求めていた++
「またガイ班の皆で食事会しましょ。その時はネジもスケジュール空けといてよ!」
「まぁ…都合がつけばな」
アレスの事あるごとに理由をつけてはリーやネジ、テンテンを家に招いて料理を振る舞う。どうやらそれは、彼女なりのオレの部下を労う気持ちらしい。
アレスは横着なようでいて、実のところ繊細な心配りをする女性なのだ。
「ごめんなさいね、中座させちゃって」
店を出てすぐ、職場の飲み会へ押し掛けた事をアレスは謝ってきた。
「別に気にする事じゃない」
月の光を弾く金髪を撫で、オレは彼女の手を取って歩き始める。
「でも、せっかくナルトが帰って来て積もる話もあるでしょうに…気の毒だわ」
付き合い始めの頃と比べ、ここ最近のアレスは淑女のようにしとやかだ。少女から大人の女性に変わっていく様を間近で見て、オレは感慨深くアレスを見つめる。
「なぁに?そんなに熱い視線で見つめて」
「いや…ナルトに言われて改めて思ったんだが…」
オレはこんなにもの美人と家庭を持った事が、今でも夢のようだ。