第1章 ++いつもオレを求めていた++
「テンテンは…いやらしい目で見られた事はなかったか?何故なら指導的な立場にある者は、抑圧された…」
「いや、私は大丈夫だから…」
何故か凄みながら言う青年の言葉を、テンテンは苦虫を噛み潰したような表情で遮った。
可愛い部下よ、その微妙な顔で更にオレへの疑惑が深まっているではないか。そこは一つナイスなフォローが必要だ。
「…先生は、アレスからの猛烈アプローチで結婚しただけで、別にロリコンだった訳じゃないのよ。むしろ私の見た限り先生は熟女好きな」
「がぁーっ!!それ以上余計な事を言うでなぁーい!!」
視線に気付いたテンテンがオレの意を組みつつも、想定外の事を言い始めたのでオレは慌てて口を挟んだ。
オレの本当の嗜好がバレれば、妻は『肉は腐る手前が旨いって言うものねー』とイヤミを言いつつ『熟女並みのテクニックを身につけてみせる』と訳の分からないHowTo本を取り揃えて読破しかねない。
いや、別に嬉しくないわけではないのだが、いかんせんオレの体力の方が…
「ふーん…ゲキマユ先生の奥さんて、面白そうだな。一度見てみたいってばよ」
先生と結婚するぐらいだから相当な変わり者だろうなーと、ナルトは手羽先をかじりながら笑う。
その瞬間、オレの背中に悪寒が走った。