第5章 ++何を思っていたのだろう++
「あんまり…こういうのは良くないんじゃないかなって思うんですけど…」
「火影命令だ」
はっきりと告げれば、テンテンは諦めたようにうなだれた。
「マイト•アレス…元は夢野一族の出身で、アカデミーに入るも2年で中退したそうだな。その後何をしていたか知っているか?」
「…何でも、花嫁修行をしていたとか…」
本人ではないなので、かなりぼかした答えを言うテンテン。
資料の方にも、アカデミー時代の成績から中退理由、その後の進路的な報告が載せられているので問題はない。
ここからが本題である。
「テンテンは、アレスの忍としての実力をどう見る?」
「どうって…」
「これが、アレスのアカデミー在学中の成績表だ」
資料の一部を手渡せば、それに目を通したテンテンが絶句する。
「アレスの成績は、過去のカカシと肩を並べるくらい秀でた物だった」
カカシと言えば、異例の若さ…いや、幼さで中忍に昇格し暗部に引き抜かれて行った鬼才だ。
「実力は申し分ないが、実戦経験が無くてな」
「そうですよ!だってアレスは一般人の道を選んだんですもん!」
「しかしアレスはアカデミーを辞めても、独学で忍術を学んでいたようだ」
それに、夢野一族の秘伝も密かに継承しているらしい。