第3章 ++いつもオレに幸せをくれていた++
「来年家族が増えるわ。今妊娠2ヶ月目ですって」
「……なぁにぃいいいいっ!!??」
アレスの突然のカミングアウトに、オレは二の句が告げず金魚のように口をパクパクさせるしかない。
いや、男女がする事をして、避妊もしなかったのだからいずれは出来ると思っていたが…
「オレが…父親になるのか…?」
「そうよ。私はママになるの」
「その歳でお母さんかぁ。何か良いなぁ」
母親像に憧れがあるのか、テンテンはさして驚いた様子もなく、つわりはまだ?なんて確認している。
「きっとガイ先生のような聡明なご子息が生まれますね」
ウーロン茶を啜りながら言うリーに、すかさずテンテンがツッコんだ。
「何でもう男の子って決め付けてんのよ」
「絶対男子ですって」
「じゃあ性別が分かる頃に、ネジに確認してもらおうかしら」
「断る」
性別にはまるで興味がないようなネジは、それ以上話に乗るつもりがないのか黙々と鍋を食べ進める。