第2章 ++いつだってオレを想っていた++
しかし、雄叫びはまだまだ続く。
「──ぅぅううおおっ!カカシィッ!」
ガイの背中で白目を剥くカカシの遥か上空、門扉の上から何かが飛躍し影を作る。
「…何ですっ!?」
向けられる殺気に、リーが思わず身構えた。
「私だってまだガイにおんぶされた事が無いのに!良い歳こいたオッサンが、おんぶなんかされんなっ!」
飛び降りて来たのは、マイト•ガイの妻アレス。
彼女は脱力しているカカシの背に容赦ない蹴りを入れると、ガイの背中から無理やり引き剥がした。
「アレスではないか、出迎えてくれたのか?」
「お帰りなさい、あなた。砂の里から、3班の帰還報告を受けてそろそろ帰って来るんじゃないかと思って待ってたの」
蹴りで乱れたスカートの裾を直しながら、アレスはガイににっこりと微笑む。
「……あの、カカシ先生が……」
地面に伏してピクピクと震える上忍の姿に、リーは憐れみの眼差しだ。
しかしアレスはそんな物体なぞ見えない居ないと言外に表しながら、旦那の手を取るとゆっくり撫でさすった。