第5章 喧嘩…?
動揺している琥太郎。
そりゃ、そうだよね…、だって私今…
「っふぇ…ぅぅ、グスッ」
泣いてる、から……。
両手で目元を抑えて泣きじゃくる。
もしかしたら、琥太郎に無理矢理…。と思ったら涙が止まらなくなってしまった。
何で?朝のこと、怒ってるの…?何でか言ってくれれば、ちゃんと言うのに…
「うぅっ……グスッ、ふぅぅック」
「由紀乃…ごめんなさい。でも、ギュッてさせて…」
私はされるがままに琥太郎に抱きしめられる。
優しく、包み込むように抱きしめられて、心が落ち着いてきた…。
それを見計らってか、琥太郎が話し出した。
「由紀乃、ごめんなさい。昨日、由紀乃から由紀乃じゃない香水の匂いして…。でも友達だよなって思ってた。けど、朝の男が…同じ匂いで呼び捨てで…由紀乃の好きな人かと思ったらなんか俺、気が動転して…っ、その……ごめん…な、さいっ」