第3章 私と彼の新生活
しばらくは大学を休み、琥太郎の世話に明け暮れていた。
その甲斐もあってか、一通り人間らしいことはできるようになってきたのだけれど…そこでまた問題が。
「そろそろ行かないとヤバイよねぇ…」
「?由紀乃どこか行くの??」
「うん…。大学に、ね」
そう、大学だ。
そろそろ行かないと追いつかないことになるし、友達も不思議に思ってるだろうし…。
でも琥太郎を1人で家におくのはちょっと不安が残る。
(どうしたものか…)
日曜の午後中ずっと、そのことを考えている。
洗濯物を畳みながらウンウン唸る私の背後から琥太郎がギュッと抱きついてきた。
普通なら驚いて突き飛ばすかもしれないけど、琥太郎だとなんだか安心する。
「琥太郎?どうしたの??」
「ん…。」
……あれ?元気ない??
いつもなら「えへへ…由紀乃好きぃ♪」とか言うのに(それはそれで恥ずかしいのだが…)