第3章 私と彼の新生活
琥太郎が突然擬人化して数日。
この数日で色んなことがわかった。
まず食事。
「え、ちょっと、琥太郎?!」
「ん?ふぁに?(何?)」
「何って…食べ方(汗)」
その日はシチューだったのだけど…
琥太郎の口元に、お皿の周りに付着したシチュー。
…そう。琥太郎の食べ方がそのまんま犬だったのだ。
お皿に顔を近づけてバクバクと食べる琥太郎に思わずため息が漏れてしまった。
「もぅ…。はい、琥太郎。ストップ。」
「んー?どうしたの?由紀乃。」
「食べるときは、スプーンを使うの!」
「?すぷーん??」
その日から、琥太郎には食事の仕方をみっちり教え込んだ。
次に服装。
ある晩。琥太郎を先にお風呂に入れ、リビングで洗濯物を畳んでいた時だった。
「由紀乃~!」
「んー?上がったの?……って、きゃぁぁ!!!」
バタバタと足音がして、振り返ると…腰にタオルを巻いただけで、ビショビショの琥太郎が走り寄ってきたのだ。
「服を着てって言ってるでしょうが!!!////」
「服、ゴワゴワしてやだ!!」
「やだじゃな…ってこっち来ないでぇ!!」
この日を境に、琥太郎は嫌々ながらも服を着るようになった。(服をちゃんと着ない琥太郎は偉くないと言ったらすんなり応じた)
あんなことが何回も起こったら心臓がもたない…(汗)