第4章 幸せな二人
泣いて、泣いて、
グチャグチャになっていた頭が空っぽになった
あんなに泣いたのは久しぶりで、子どもみたいで、恥ずかしい
本当にもう大丈夫、と言って顔を上げたけれど
先輩は困ったような優しい顔をして、また抱き締めた、
「…なぁソラ、お前には幸せになってほしい…そう思って今まで見守ってきたんだ…」
『…先輩?…ありがとうございます…私は幸せ者ですよ、幼い頃から彼や先輩のように温かい存在が傍にいる…』
「…はぐらかさないでくれ、俺の気持ちに気付かないお前じゃないだろ?俺はお前のことをずっと『先輩、駄目ですよ…これからも私は暗部として里を守っていきます、いつか彼のように突然…いなくなるかもしれません…』
この人には私のような思いはさせられない
「…気持ちは揺るがなそうだな、じゃあまたリベンジさせてもらうよ」
『ぇ?』
残念だけど俺の気持ちも揺るがないわけで、何年たっても何度でも言うよ
「お前のこと、昔も今もこれからも、大切だってこと」