第4章 幸せな二人
「…ソラ」
『…っ!カカシ、先輩!!相変わらず気配消すの上手いんですね、心臓止まるかとおもいましたよ』
悟られまいと、涙を拭いおどけたように言った
「…すまない、驚かせて…」
きっとこの人は気付いてる、長年コンビを組み、幾つもの危険な任務をこなしてきた仲
声色、動作で気持ちを感じ取れる
『先輩、私は大じょ「放っておけるかよ」…ぇ?』
呟くような声量だったけれど、はっきり聞き取れたのは、二人の距離が縮まったせい
先輩は私の震え肩をそっと掴んで、湿った顔を覗き込む
『…大丈夫です、仲間の死なんて日常茶飯事「ただの仲間じゃない、あいつはお前の大切な『やめてくださいっ!』
『…確かに…私にとって大切な存在でした…でも彼は、優しく強い人だから…自分を犠牲にしてまで里を守ったんです…彼の思いは痛いほどわかるから…だから、私は彼の守ったものをこの先も守っていきかなくちゃ…だから…だから、』
「わかった、俺もお前と同じ気持ちだよ」
『先輩…』
「でもさ、一度くらい彼奴を思って泣いたっていいんじゃない?俺でよければ胸かすよ?」
私の強がりはお見通し
『先輩…少し、目を瞑っていてください』
先輩の胸にそっと頭を預けると、ふわりと抱き締められて、久しぶりの温もりに涙が溢れて止まらなかった
「ハイハイ、俺は何も見てません」
この人には適わない