第3章 綻び
寝具を片付け終えた彼女が、朝餉を運んで来た。
豪華絢爛、ではないけれど丁寧に作られた朝餉だ。
「病み上がりですからね、あまり無理はしないで大丈夫です。」
そう言う彼女に少し安堵しながら、重い箸を持つ。
「いただきます、と。」
継続する頭の痛みと、全くないと言ってもいいほどの食欲。
今日から完治したという設定。
僕が歩んできた、日の本統一という道。
そんな体調と灰色の感情が蠢いている。
味なんて全く感じなかった。
彼女が一生懸命作ってくれたのに。
そんな罪悪感がさらに僕を沈ませて、口に箸を運ぶ手は重くなった。
そんな僕を、彼女がずっと見つめていると気づいたのは、ほとんど食べ終えた頃だった。
「…どうかしたのかい?」
「…半兵衛様。
もしかして、まだ、本調子じゃないのですか?」