第1章 まだまだ蕾だったあの頃、私たちは出会いました。
「あらあら、どうしたのかな?」
先生は、泣いているその子に目線を合わせるようにしゃがんで頭を撫でながら慰めていた。
「あのこ、こわ~い」
泣きながらも、しっかり彼を指さしながら言ったその言葉は、子どもながらに傷つくであろう言葉だった。正直な子どもだからこそ言ってしまった言葉なのだとは思うが、言われた方は良い気分ではない。
と、思うのは私が中身二十何歳だからだろう。二度目の人生だと気が付いたのは三歳になった頃。一つ下の弟と遊んでいるとき、気が付くと私は今の自分になっていた。ビックリしすぎて急に泣き、高熱にうなされたが、その寝込んでいる間に心の整理は意外とできるもので、普通の子どもよりは明らかに子供らしくなくなった私を、気味悪がりもせず、『天才』だと喜んだ今の両親は、本当に親ばかである。急に大人になった姉にすぐに対応し、姉ベッタリになった弟は本当に可愛いし。私は本当に家族に恵まれていると思ったのだ。
だからこそ、無知で惨酷な子どもの言葉に反応してしまったのだ。先生に慰められ泣き止みそうなその子とは対象に怒られて、でも耐えている大きな男の子が不平等に思えて仕方なかった。