第3章 卍谷
陽「あの殺気…只者では御座いませぬ…」
左「弦之助様…やはりこの者は何処ぞの間者ではあるまいか…」
弦「…余はこの者を信じよう…嘘はついておらぬ…」
そう言うと2人を連れ
部屋を出ようとした
『まって…そんな簡単に…見知らぬ人間を…貴方は信じるの?』
弦「新選組などは聞いたことが無いが…そなたの瞳は嘘偽りない瞳じゃ…」
『…本当は間者だったら?…怪我を装って貴方を殺す間者だったら?』
弦「その時は…「その時は…私が殺して差し上げましょう…」…陽炎…」
陽「弦之助様をお守りするのが役目で御座います…」
左「うむ…して、弦之助様は如何なさるおつもりか…」
弦「…皆に話さねばなるまい…卍谷で預かるほか無いであろう…今日から卍谷の仲間じゃ」
陽「弦之助様には…かないませぬ…」
左「弦之助様がお決めになられたなら…仕方あるまい」
うちで預かるほか無いな…
お前は今日から俺の妹だ…椿…
お前は俺が守ってやる…何があっても…信じてやる…
……歳三兄様の…皆の…嘘つき…
『…ふざけないで…仲間?…すぐに裏切る癖に!簡単に言わないで!!なにも知らないくせに!そんなに…そんなに優しくしないで!…!!っ…』
そう怒鳴ると
部屋を出て…気がつくと
森の中にいた…
あの言葉も…あの目も
歳三兄様にそっくりで…怖かった…
また…裏切られる様な気がした…