第4章 仲間…
布団から出て
皆が居るであろう部屋へ通された…
弾「うむ…ではまず…お主の話を聞かせてくれんかのぅ」
『…はぁ…私は土方椿…新選組の副長補佐で…そうね…ある鬼の一族の生き残り…土方の姓は…拾ってくれた兄から譲り受けたもの…』
弾「新選組とは?」
『組織よ…松平容保様に使え…徳川幕府をお守りしているの…』
弾「ほぅ…徳川幕府をのぅ…」
『…ま、もう私は新選組じゃないから…関係ないけど…』
お「じい様!鬼ってなんじゃ??」
弾「遥か昔より…人とうまく折り合いをつけながら互いに理解し生活していた鬼も…人間によって一つの鬼の一族が滅ぼされたと聞いたことがあるのぅ…名は…『鬼崎…私は…鬼崎の唯一の生き残り…』…ほぅ…じゃからその容姿であったか…」
私たち鬼の一族が滅びたのは…もう何百年も昔…
何故…知っているの??
陽「弾正様…私達にも分かりやすく説明を…」
弾「その前に…今この場におる者の紹介でもしておこうかの…右から、ワシの孫で卍谷の頭領の甲賀弦之助、陽炎、左衛門、お胡夷、豹馬じゃ…皆お主を仲間に迎え入れたいと申しておる…」
『私を仲間にして…得があるの?…今日会ったばかりの者を…仲間になど…それに…裏切られるのはもう御免よ…』
弦「余は…裏切らぬ…すくなくとも…余の仲間は…仲間を裏切る様な者はおらぬ」
『言い切れる?…人間なんて…分からないわ…私は…信じない…もう誰も…』
弦「椿殿…」
『仲間なんて…私には要らないの…必要ないの…それに…っ!!!』
不意に弦之助に抱きしめられる
弦「その様な哀しき事を申されるな…」
『っ…離して…』
弦「余は…決して裏切らぬ…」
『っ…そうやって…裏切るのが…人間なの…守ってやるって…信じてやるって…言っておいて…っ…最後には!!!裏切るのよ!!!!』
そう言って私は弦之助を突き放した
『誰も…信じてくれなかった…誰も!!!』
お「椿…」
『ずっと一緒に居たのに…誰も…信じてくれなかった…』
陽「…弦之助様は…その様な方では御座いませぬ」
『歳三兄様も…そうだった…弦之助と同じ…温かい人だった…あの女が来るまでは!!でも…誰も…私を信じてくれなかった…!!!』
そう言うと…自分の目から涙が流れていることに気がついた…