第2章 イベント当日
「それならよかった、じゃあちょっと質問しまーす」
きっくんが近くに来るとテレビカメラも一緒に近付いて来て、あ…これマジで緊張しすぎてヤバイ…って状況に陥りました。
そんな私の代わりに、美優が色々と質問に答えてくれて私は終始頷くだけで…。
せっかくあろま先生が「今までやった事のあるコスプレは?」って聞いてくれたのに「FF70のクラウドです」の一言しか返せなくて。「今度の極パーティではクラウドで来てくれるかな?」っていう、きっくんの振りにも
いいともー
って言えず頷くだけとか…。今の自分殺してやりたい!
そんな私の変わりに何倍も愛想良く返事をしていた美優が羨ましい。羨ましいけど、感謝です。
「最後に!」って付き合うきっかけは何だったのか尋ねるきっくんに美優が
「だから、付き合ってないんですって。本当に」
と笑を堪えながら返事をしている。やぁ…だってねぇ、私女ですし。
「じゃあ、カップルじゃないと?」
美優と話していたきっくんが突然私に話をふってきた。
少しビクってなって、助けを求めて美優を見ると「同僚同僚」って口パクしてきた。
「はい、ただの仕事の同僚です」
周りに居た野次馬の人達も「えーー」て言ってくれて少し盛り上がったみたいで安心。観客よノリがいいな、おい。
「お互い隠れオタなんですけど、この極パーティでたまたま会って趣味に気付いたっていう流れです」
経緯を簡単に説明すると
「そういう出会いがあるのは、このパーティの良い所ですよね」
っと、きっくんが笑顔で返してくれた。今まで無愛想だった私になんて優しい対応。