第2章 イベント当日
「ちなみに、俺たちの事知ってる?」
き、きたーーーーー!アピールポイントきた!!!
言わなきゃ、好きって!
「はい、msspさん達ですよね?その…好きでよく実況見てます」
「おお、珍しく男性ファンがいた」
大袈裟に言うきっくんに
「社交辞令だって、気付けよ」
とすかさず言うあろま先生。
そんなきっくん達に感激していると、ディレクターぽい人が次に行きましょうと指示を出していた。
あ…もう終わり!?早すぎるーーー!
な、何か少しでも思い出に残る事が欲しい…少しだけでいいから!
「と、質問に答えてくれて有難うございました。まだ時間があるから後で良かったら実況エリアにも来てね」と、言うと足早にさって行こうとする2人を見て咄嗟に
「あの、最後に握手だけしてもらってもいいですか!」
っと、顔が赤くなるのを感じたので気付かれないように下を向いて右手を差し出しお辞儀をする。
はたから見たら
『最初から貴方と決めていました!付き合ってください!』
と某番組風に告白しているシーンさながらだ。
うわー!これmsspファンから殺されるかな?でも、今後会えないし少しだけ…ファンのみんなごめんなさい!
そう思いながらも駄目元で待つ私の姿は、2人には滑稽にうつるんだろうな…
そんな悲観的に色々考えて居る間に
ギュッ…と握ってくれる手が…
手がーー!
信じられない気持ちになって顔を勢いよく挙げると、般若の顔が近くにあった。
口元から覗く唇がセクシーです、あろま先生ーー!
「僕でよかったらよろしくお願いします」
先生がそう言った瞬間、周りの女子から
「「きゃーーーーー!」」
と黄色い悲鳴。
…先生、流石です。自分でも思っていました、告白しているみたいだなって…。
ですが、ちょっと私には…私には刺激が強いですーーー!
泣きそうになるのをこらえるために、顔に力をいれ表情を引き締める。
そんな私に、きっくんが
「ちょ、その返しは付き合う流れかよ!ゴメンね君、あろま悪ノリ好きだから気にしないでねー。ファンになってくれてありがとう!じゃ、バーイ!」
時間も無いのと、周りのざわめきが大きくなって来たのを感じ取ってなのか、言葉早く切り上げ去って行く2人。
周りにいた観客達もmsspファンの人が多くて、きっくん達が移動すると一緒に移動して行った。
あ、嵐の様な人達だったな…。
