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次元の果てまで。【七つの大罪】

第1章 意味、わかんないよ。


「あー…ね、ねぇ。」
「なんだいルシウス?」

あれから数年。色々な事がわかってきた。
まず、ここは漫画『七つの大罪』の世界で、私は所謂トリップをしたようなんだな、これが。
でもって、どうやら今は過去のお話で、七つの大罪も結成されてないみたい。聞いてりゃ彼は後の聖騎士団長らしい。凄い人に救われたな、私は。
いや?別に認めた訳じゃないけど?

今日も今日とて現世へ戻るべく、ここの言語のお勉強をしながら帰る方法を模索中。

「この本の、木、何?」
「あぁこれ?これはね、精霊界にある神木でね…」

必死に単語を覚え、何とか普通に会話が出来るようになった。
知らない人が一杯なところに行くのは気が引けたけど、サーシャの娘と言えばすんなり通ったし、皆気さくで優しい。
何でもサーシャと言う人は本当に凄い聖騎士だったらしく、その名前は世界にまで広がっている、言わば英雄。
ありがとう母さん。

「サーシャは僕をとても可愛がってくれたんだ。…君にも、会ったことあるけど、覚えてないだろうね。」
「うん。」
「兄さん、こんなところにいたんですか。」
「あ、ドレファス。」
「ドレー!」
「こんにちは、ワンナイト。」

歩いて来たのはかのドレファス聖騎士長。若い。イケメン。

「またサーシャの話を聞かせてたのですか?」
「あぁ、ルシウスはサーシャの事をあまり覚えてないらしいからな。」
「サーシャも凄いですが、ワンナイトだって凄いでしょう。」
「?わたし?」

私も凄いのか。聞いたことないぞ。
ドレファスは屈んで私に目線を会わせると面白そうに話し始めた。

ある日、兄弟3人でまだまだ小さかった私を見に行った時。
ピクニックへ行こう、と母さんに誘われ森へいったらしい。
各々が好きなことをし、楽しんでいる矢先、茂みから巨大な熊が現れた。
しかも近くに私。助けなきゃ。3人が動こうとすると隣から微かな金属音。
吃驚して見れば熊に一直線に真空波が飛んでいく。その直線上には、熊と、私。
熊は吹っ飛んだが、私も巻き添え。真っ青になりながら見に行くと、無傷のまま楽しそうに笑う私。

「サーシャはこれをわかってたようにケラケラ笑ってたけど。」
「後に俺らにこってり絞られたけどな。」
「あ、ヘン!」
「よ、ルシウス。」

こちらも、若かりし頃のヘンドリクセン。この兄弟3人そろって美形だな。
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