第6章 貴女の笑顔に、私は
「…だからね、分かった!?」
「はい、すいませんでした。」
今私はエレインに絶賛怒られ中。無理をするなとキツくいわれています。
「お願いだから無理しないで。死んじゃったらどうするの?」
「いや、私死なない…」
「そうゆう問題じゃない!!」
「ゴメンナサイ。」
起きた時は凄かった。泣きながら抱き付いて胸をひたすらポカポカされた。
で、さっきからこの状態。結構キてます。足が。
「…私。」
「うん?」
「私、結局何もできなかった。助けるなんて言って助けられた。」
そういってふるふると震えるエレイン。何を言ってるんだろう、この子は。
「そんなことない。私、エレインが叫んでくれなかったら確実に意識飛んでた。エレインいなくちゃエレインを助けられなかった。」
「ルシウス…。」
「それにね。」
「?」
私はエレインを見る。いつも、私の前で笑ってくれてるエレイン。
「エレインの笑顔に、何回助けて貰ったか分からないよ。エレインが大切だから、私は制御できた。やっぱ、私にはエレインがいなきゃ駄目っぽい。」
へへ、と笑うとぎゅむ、エレインが抱き付いてくる。
「…ルシウスのせいなんだからね!」
「え?何が。」
「何回もときめかせないでよ、もう!責任とってお嫁さんにしてよね!」
「え、え?ちょ、私、そんな趣味無いな…」
「例えよ、例え!!それくらい責任とってよ!?」
「え、あ、う…はい。」
きゅう、と抱き付いて離れてくれないエレイン。どうやら、かなり気に入られたようで。
「…責任、ね…。」
『…奪ったんだろ?なら責任とってくれよ。』
『ぶふぉあ』
…バンは、どうしているんだろうか。
なんか、事あるごとにバンの心配してる気がする。過保護も良いとこだよ、全く。
「あー!駄目駄目駄目!もう限界!足痛い!エレイン、寝よう!」
「え!?ちょっと、まだお昼前!」
今まで、心の何処かで元の世界に帰りたい、そう思ってた。けど、エレインに会って、一緒に寝て。そんな事をしていたら、別に元の世界なんてどうでもいい気がして。トリップは、見てきた話は殆どその世界の人になるものだし。
「ねぇ、エレイン。もしもエレインの兄さん帰ってきたらさ。2人でお出掛けしよう。それで…」
「…。」
「あれ?寝ちゃった?…まぁ、良いや。」
この幸せの為に、私はエレインを守ろう。命に代えてでも。