ペリドットの向こう側【アルカナファミリア・デビト】
第1章 自棄酒
「ちょ、あぶねーって」
デビトが私にそう注意したときには既に遅かった。
手に持ってたワインが顔と言うより、体中に掛かる。
それを受け取ろうとしたものだからデビトの服にも零れた。
「あーあ、やっちゃったね」
「テメェ…」
「正直、すまんかった」
「すまんかった、じゃねーよ」
デビトは深くため息をついて私の顔に掛かったワインをスーツの袖で拭いた。
この時、やっと、フェルのこと以外でため息をついたよね、多分。
「うち来る?」
「はァ?」
「とりあえず、シャワーだけでもしたほうがいいでしょ」
「ああ、そうだな。助かるぜ」
私たちが被ってしまって1/4ほどにになってしまったワインボトルはデビトに取り上げられた。
彼はそれを一気に飲み干してから、私の家に向かった。