ペリドットの向こう側【アルカナファミリア・デビト】
第1章 自棄酒
自棄酒。
その言葉がぴったりだろう。空のワインボトルがテーブルに何本もある。
店内はやはり祝福モードなわけで、店員たちも忙しく働いているものだからワインボトルをこちらに持っては来るものの下げる事はない。
「デビト、飲みすぎ」
「ニコラには言われたくねぇぜ」
「ですよねー」
どれだけ飲んだのだろう。この空き瓶達が私たちのワイン摂取量だとしたら、認めたくない。
「でも飲んじゃうんだよね」
「それには同感だな」
「じゃーもっかい、乾杯」
「俺達にとっちゃあ乾杯するモンじゃねー」
「うーん。そうだね。でも乾杯」
パーチェが居なくてよかった。
やつはうるさいから。
嫌いなわけじゃない。寧ろ結構好きだ。
馬鹿みたいにうるさくて、馬鹿みたいに絡んできて、平気で抱きついてくるし。
でもこんな気分の日は居ないほうがいい。
「パーチェ、つれてこなくて正解だったぜ」
私が思っていた事をデビトが口に出したものだから、ついつい笑う。
一緒の事、考えてたんだ。
「テメェ、何笑ってんだよ」
「私もそう思ったとこだった」
「パーチェの奴、無駄にうるせぇからな」
そういうデビトも今日はいつもよりお喋りですよ。
お酒の所為なのかこの嫌な気分を吐き出したいのか。