第1章 私の脳内回路はショート中
ハルヒの気分が、イライラの最高潮まで高まったとき、下卑た男の声が聞こえた。
「ゲーレゲレゲレッ、おい、ねーちゃん、なにそんなとこに突っ立ってるんだ。ウイップッ。オレッチ様の手配書なら、一番右だぜ。天下の海賊キャプテン・ウゲージ様だ。ゲーレゲレゲレッ。」
ハルヒのすぐ右後ろにいるのだが、物凄く、酒臭い。ゲロ臭い。名前と笑い方通りである。
うっとおしいと思いながらも、懸賞金額をチラ見する。
・・・・・・9千万ベリー。
こんなゲロ野郎に、こんな高金額。
大丈夫か、海軍。
だが、ハルヒは、やっと納得できた。
ここは、ワンピースの世界。
間違いない。うん。絶対!!
「おい、ねーちゃん、綺麗な赤髪だな。ゲーレゲレゲレッ。こっち向けよ。オレッチ様に顔を見せろ。」
そう言いながら、ハルヒの右肩を掴み、かなり強引にゲロ野郎の方を振り向かされた。
ゲロ野郎の濁った黒い瞳と目が合った。
ゲロ野郎は、驚いたように、一瞬、固まっていたが、すぐに、下卑た笑い声をあげる。
「ゲーレゲレゲレッ、こりゃあ、上玉中の上玉じゃねーか。」
「うひょー、船長、やりましたね。こいつぁ、ド高い値がつきますぜぇ」
「キャプテンは、ホントに運がいい。ッシシシシ。」
いつまにかまわりに集まっていた、取り巻きたちの言葉に、ハルヒは、体を固くした。
「ゲーレゲレゲレッ、オウ、怖がってやがる。安心しな。ウイップッ。しばらくは売らーねよ。まあ、オレッチ様が飽きたら、そん時は、・・・・・・なあ、分かるだろう。ゲーレゲレゲレッ。・・・オウオウ、顔色が悪いぜ。ウイップッ。」
「ッシシシシ。そいつは、キャプテンのせいだ。」
「ゲーレゲレゲレッ。オレッチ様のせいか。ウイップッ。
大丈夫だ。やさしーくかわいがってやるよ。上手く鳴けよ。ゲーレゲレゲレッ」
ハルヒの気分は、最悪だった。なぜ手配書の前で、突っ立ってただけで、こんなゲロ野郎の女にされなければならないのか。
はたまた、飽きたら売るとは、処女に向かって、何たる暴言。男性不信に陥りそうだ。