第1章 私の脳内回路はショート中
私は、さっきから背中に、ビシバシとたくさんの視線を受けている。それはもう、刺さるくらいに。
当たり前だよね、と自分の現在の容姿をまじまじと見る。
昔の私、といっても、1時間くらい前の私なのだが、まあ平凡な顔だった。さらに言うなら父親似だ。
私の母は、綺麗な人だった。娘の私が言うのもなんだが、とても愛嬌のある、どこか惹かれるような顔立ちだった。
私は、いつも母に、なんで母親似に生んでくれなっかたのと、ブーたれていたのだが、あんたはそんなもんでいい、それで上出来だと、必ず返された。
母は、若いとき、群がってくる男たちに、相当苦労したようで、どうか自分の子供は、普通の子であって欲しい、と願ったらしい。
私からしたら、そんな願い叶わなくてもよかったのだが、母の苦労話を聞くうちに、普通でいいや、と思うようになった。
だって、告白振ったら、殴られたとか、男が原因でイジメられたとか、付き合ってた人が浮気したから振ったのに、その男が、当てつけに自殺しそうになったとか、聞かされたら・・・・
そりゃ、ねえ、・・・普通に生んでくれて、ありがとうって素直に思う。
が、しかし、現在の私は、かなりの美人である。
普通は、喜ぶのかもしれないが、私は、非常に不愉快である。
なんだかんだ言って、私は、昔の容姿が気にっていたのである。17年も付き合ってきた、私の体は、さよならも言わずに、どこかへいってしまった。あんまりではないか。
しかも、まわりは異世界。
私が日本で、平和に暮らしていたのが、むしろ夢ではないかと思う程、荒くれた世界。
いきなり、こんなところに放り出され、自分の体も自分のものでは、ない。
今まで生きてきた、17年間すべてが、否定された気がした。
日本を懐かしむ、両親を懐かしむ、そんな名残が残っているのは、私の声と心だけ。
物凄くイラついた。
もし、神がいるのなら、死んでしまえ。