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とある新世界の本屋さん

第3章 もう、泣きそうです。


「それにしても、ハルヒ、アンタよくあんなにもドフラミンゴのことを知っていたねぇ。まるで、奴の戦闘の場に居合わせたことがあるような口ぶりだった。アタシャ、奴が何の実の能力者か知らなかった。奴のことになると、情報提供者がグッと減るんだ。なぜかは、知らないがね。」


グレースさんの言葉にハルヒは、ドキッとなった。ハルヒは、いまだにグレースさんに自分が異世界から来たことを言えずにいた。ましてや、そちらに帰りたいなんて口が裂けても言えなかった。グレースさんは、ハルヒを自分の右腕にするために、ハルヒを拾い、生きる術を与えてくれた。いわば、命の恩人なのだ。その人の思いと貰った恩を無下にすることなんてハルヒには、到底できなかった。ハルヒが黙っていると、グレースさんは、見かねたように言った。

「別に今さら、アンタが何者かなんて問いただす気はないさ。アンタが、接客を始めて日が経つが、客の評判も頗る良い。前より、コッチは儲かってるんだ。アンタがアタシャとの"約束"を守る限り、ここから追い出しはしないから安心しな。」

グレースさんは、やっぱり優しい人だ。ちょっと分かりにくいけど。

"約束"とは、ハルヒが一人前の情報屋になるときにグレースさんとした、2つの約束事だ。

1.絶対、嘘をつかないこと。
2.ハルヒとグレースさんは、互いに味方であること。

一つ目の約束は、情報屋として嘘は、致命傷になるから。
二つ目の約束は、情報屋としてタッグを組むことへの条件だ。


グレースさんは、ハルヒを、あくまで対等の情報屋として見てくれていた。それが、とても嬉しかった。約束したとき、本当に泣きそうだった。

この約束を思い出す度にハルヒは思う。

グレースさんは、本当に良い人だ。


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