第3章 もう、泣きそうです。
男は、驚いたように、そんなことが可能なのか、と言った。
「ええ。彼は、できるみたいね。体格にもかなり恵まれているし、鍛え抜かれた体をしているからかしら。覇気使いの上級者ということも関係していると思うわ。」
「戦闘方法の特徴は?」
「かなり、良い質問ね。それは、彼と対戦する上で最も重要よ。」
ハルヒは、努めて微笑みながら、そう答え、男に尋ねる。
「ドフラミンゴに一人で戦いを挑むのか、大勢で戦いを挑むのか、教えてもらえる?」
男は顔を顰めながら渋々、小さな声で大勢だ、と答えた。
「そう。なら、簡潔に言うけど、あなた負けるわよ?
彼の能力は敵が多ければ多いほど、彼に有利に働くの。彼は、とっても残忍な性格。彼とイトイトの実の能力の相性は、最高よ。」
男は、最高に怒っていた。額に青筋を3本たて、どういう意味だ、とハルヒに怒鳴る。だが、ハルヒは、そんなこと少しも歯牙にもかけず、涼しい顔で答える。
「彼は、大勢の人間を同時に糸で操り、味方同士を相討ちさせるのよ。」
男は、おもしろい程、驚いた顔をして黙っている。声がだせないようである。ハルヒは、機嫌を良くし、笑いを堪えながら、もうふたつ情報を提示してやる。
「彼の糸の射程範囲は、とてつもなく広いわ。彼は、糸に武装色の覇気を纏わせ扱うことで、人体を切断できる。」
せいぜい気をつけるのね、と言いながら、もうお帰りなさい、というと、男はがっくりと肩を落とし、絶望の色を体中に纏わせながら、帰って行った。
かなり金をぼったくることができた、とハルヒは、ニンマリとする。どうせ聞いていたのだろうがグレースさんに報告しようとハルヒが、椅子から腰をあげようとしたとき、ガチャリと後ろから音がして、グレースさんが店の方へ入ってきた。
「ハルヒ、随分儲けたようだねぇ。話し方も誘導の仕方も初めのころから比べたら、雲泥の差だよ。昔のアンタは、客にヘコヘコしちまって、聞いてられたもんじゃなかった。」
そう言って、グレースさんはハルヒを褒めてくれた。
とても嬉しかった。